SSブログ

砂壁の復元 [家の話]

こちらは大正時代に建てられた築約百年の家屋の雪隠です。
IMG_2709圧.jpg

昨年、間仕切上部の砂壁(三角形の所)がトンボごと落ちて、下地の木摺りがあらわになりました。
IMG_6741圧.jpg

(ちなみにトンボとは、木摺りや砂摺り等の下地壁に麻ひもを打ち付け、木と壁にすき間があかないように土に絡ませるものです。)
IMG_0970圧.jpg

今回は忠実に保存修理を行うために、京都で日本有数の文化財や茶室の土壁補修を手掛ける左官職人の方にご指導をいただきました。
まず、この壁に使用されている砂は現代では入手することが大変困難であるため、補修する壁から丁寧に砂を削ぎ落とし、再利用することとしました。
IMG_6790圧.jpg
IMG_6889圧.jpg
IMG_6892圧.jpg

そして中塗り。
IMG_6913圧.jpg
IMG_7247圧.jpg

仕上塗りに使用する砂は、壁から削ぎ落したものを篩にかけながら水洗いし、ごみと汚れを取り除きました。すごく根気のいる作業でした。
糊も当時の手法に則り、わらび粉ににかわを混ぜ使用しました。わらび粉はでんぷん等の混合物のないものを使用。配合については現代まで伝承されていませんので、実験を繰り返し決定しました。
そして仕上塗り。
IMG_7262圧.jpg
IMG_7274圧.jpg

見事に大正時代の壁を復元することができました。
外部も墨を混ぜ込んだ漆喰で塗り直しました。
IMG_7270圧.jpg

この壁の復元に先立ち、外部の隅柱と土台も補修しました。
隅柱は径が同じ北山杉の磨き丸太を接ぎました。そして、柿渋に黒べんがらを混ぜ、丁寧に塗り込みました。
これからまた何十年と使い続けることができるように願っています。
IMG_6926圧.jpg
IMG_6932圧.jpg
IMG_6941圧.jpg
IMG_6945圧.jpg
IMG_7043圧.jpg


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:住宅

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

トラックバック 0

100年の森づくりリレー栗と桧の看板 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。