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土壁(荒壁)塗ってます [ただいま普請中]

先日建て方を行った石場建ての家、今は土壁を施工しています。

こちらは土壁の芯になる竹小舞。
この地方の職人は、左官屋さんが割竹を一本ずつ麻縄でしばり、格子に編みます。
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手間のかかる仕事で、様々な流儀があります。
地域によって、職人によって、使う材料も編み方も千差万別で、
それぞれに理由があって、ウンチクを聞くと面白いです。
左官屋さんの経験と知恵が結集されています。

この竹小舞はとても綺麗ですが、すぐに土壁(荒壁)が塗られてしまうので、壁の中に隠れてしまいます。一瞬の美です。

こちらは荒壁の施工。
まずは土を搬入し、舟へポンプアップ。
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きれいに編んだ竹小舞に、藁スサ(細かく刻んだ藁)を混ぜた土を塗ります。
土は阿吽の呼吸で鏝板に刺されます。
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最初は屋外側から屋内側へ、土が「にゅるっ」とはみ出すように・・・。
屋内側から見るとこんな感じ。
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外側や間仕切りの片面が終わったら、裏返し塗り。
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「にゅるっ」とはみ出すことで両側の土が一体となり、竹小舞を芯にした荒壁ができます。
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この塗り方も、職人によって様々です。
最初に屋外側を塗る人、そうではなく屋内側を塗る人、
両側を続けて塗る人、片側だけ塗って乾かしてからもう一方を塗る人、
それぞれに、もっともな理由があります。

使う土もいろいろ。
藁スサを混ぜた荒壁の土を、「泥コン」と呼びます。
岐阜県は良質な土の産地で、いい「泥コン屋」さんがあります。
この土は、「泥コン屋」さんの調合済みのものです。
土の質によって、藁スサの大きさ、量、混ぜるタイミング、様々あるようです。
今回の土は、黄土色っぽくてヨーグルトのような匂いがします。
原料土や、藁スサの発酵の具合で、色も匂いも変わります。
季節によって、現場によって、いろんな土を見ることができます。

土壁で囲まれた空間は、とても心地よいものです。
温度なのか、湿度なのか、音響なのか、なかなか数値では表せないのですが、
断熱材やコンクリートなど、工業製品ではつくれない心地よさです。
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